いい‐がい【飯匙】
飯を盛るためのしゃもじ。いがい。「—取りて、笥子(けこ)の器物(うつはもの)に盛りけるを」〈伊勢・二三〉
いし‐さじ【石匙】
縄文時代の打製石器。長さ5センチ前後で、ナイフとして用いた。つまみの部分にひもを掛け、腰などに下げたらしい。石匕(せきひ)。
えん‐し【円匙】
小型のシャベル。 [補説]「えんぴ」は誤読。
えん‐ぴ【円匙】
《「えんし」の誤読から》土を掘る道具の一。小型のシャベル。旧軍隊で使用。
おお‐さじ【大匙】
1 大形のさじ。 2 調理用計量スプーンの一。少量の調味料・粉類の計量に用いる。ふつう、容量はすりきり1杯15ミリリットル。
お‐さじ【御匙】
1 「さじ」の美化語。 2 《さじで薬を盛るところから》江戸時代、将軍または大名の侍医。御殿医(ごてんい)。おさじ医師。
おだい‐がい【御台匙】
飯を盛るのに使う杓子(しゃくし)。飯匙(いいがい)。「もはやそのままこれの家主になれ。明日から—を渡さうぞ」〈咄・醒睡笑・六〉
かい【匙/匕】
《もと貝殻を用いたところから》飯などをすくうもの。しゃくし。さじ。「箸(はし)、—など、とりまぜて鳴りたる、をかし」〈枕・二〇一〉
きょう‐じ【香匙】
香(こう)をすくうさじ。香(こう)すくい。
ぎんのさじ【銀の匙】
中勘助(なかかんすけ)の小説。前編は大正2年(1913)、後編は大正4年(1915)発表。作者の幼少年時に取材した自伝的作品で、正義と自由と美にあこがれる少年の世界を繊細に描く。