は‐むけ【葉向け】
風が草木の葉をその吹く方向になびかせること。「いつしかと荻の—の片よりに空や秋とぞ風もきこゆる」〈新古今・秋上〉
はる‐け・し【遥けし】
[形ク]空間的、時間的、心理的に遠くはなれている。「ほととぎす鳴く音—・し里遠みかも」〈万・三九八八〉 「もろこしも夢に見しかば近かりき思はぬなかぞ—・かりける」〈古今・恋五〉
はるのひ‐の【春の日の】
[枕]春の日の長い意から、「長し」にかかる。「—長くや人をつらしと思はむ」〈古今・恋三〉
はる‐の‐みなと【春の湊】
春の行きつくところ。春の果て。はるのとまり。「暮れて行く—は知らねども霞に落つる宇治の柴舟(しばぶね)」〈新古今・春下〉
ばいえんそうしょ【梅園叢書】
江戸中期の随筆。3巻。三浦梅園著。寛延3年(1750)成立。安政2年(1855)刊。儒教的な立場から古今の話題をとりあげ、著者の所感・論評を平易に述べたもの。
ばかり【許り】
[副助]名詞、副詞、活用語の連体形、一部の助詞に付く。 1 範囲を限定する意を表す。…だけ。…のみ。「あとは清書する—だ」「大きい—が能じゃない」「いそのかみ古き都のほととぎす声—こそ昔なりけれ...
ば‐や
[連語]《接続助詞「ば」+係助詞「や」》 1 未然形に付いて、「ば」が仮定条件、「や」が疑問の意を表す。もし…なら…だろうか。「心あてに折ら—折らむ初霜の置き惑はせる白菊の花」〈古今・秋下〉 2...
ばん‐か【挽歌/輓歌】
1 葬送のとき、柩(ひつぎ)を載せた車をひく人たちがうたう歌。また、人の死を悼んで作る詩歌。哀悼歌。 2 万葉集で、雑歌(ぞうか)・相聞(そうもん)とともに三大部立ての一。辞世や人の死に関するも...
ひき‐たが・う【引き違ふ】
[動ハ下二] 1 方向を変える。「あやめ草—・へたる袂には昔を恋ふる音(ね)ぞかかりける」〈新古今・哀傷〉 2 今までとはすっかり変える。「うつし心をば—・へ、たとしへなくよろづ忘るるにも」〈紫...
ひこ‐ば・ゆ【蘖ゆ】
[動ヤ下二]《「孫(ひこ)生ゆ」の意》切った木の根株や根元から芽が出る。「荒小田の去年(こぞ)の古跡(ふるあと)の古よもぎ今は春べと—・えにけり」〈新古今・春上〉