きさい【后】
「きさき(后)」の音変化。「帝、—の思しおきつるままにもおはしまさば」〈源・総角〉
きさい‐の‐みや【后の宮】
1 「きさきのみや1」に同じ。「二条の—にて白き大袿(おほうちき)を賜はりて」〈後撰・春上・詞書〉 2 「きさきのみや2」に同じ。「—、悩ましげにおはしますとて」〈源・宿木〉
きさい‐ばら【后腹】
「きさきばら」に同じ。「—のは、いづれともなく気高く清げにおはします中にも」〈源・匂宮〉
きさき【后/妃】
1 天皇の正妻。皇后および中宮。また、皇太后や後宮(こうきゅう)の女御(にょうご)・更衣(こうい)などをいう場合もある。 2 王侯貴族の妻。
きさき‐がね【后がね】
《「がね」は接尾語》将来、后になるはずの人。后の候補者。「かういふ幸ひ人の腹の—こそまた追ひすがひぬれ」〈源・少女〉
きさき‐の‐みや【后の宮】
1 皇后の住居。また、その宮殿。きさいのみや。「—に宴し給ふ」〈北野本天武紀〉 2 皇后・中宮の敬称。きさいのみや。「—、日頃ただにもおはしまさぬを」〈栄花・月の宴〉
きさきのみや‐の‐つかさ【后の宮職】
律令制における皇后付きの役所。中務(なかつかさ)省の管轄。皇后宮職(こうごうぐうしき)。中宮職(ちゅうぐうしき)。きさいのみやのつかさ。
きさき‐ばら【后腹】
后の腹から生まれたこと。また、その皇子・皇女。きさいばら。「時の帝(みかど)の御妹、…—におはします」〈宇津保・藤原の君〉
きさき‐まち【后町】
《「町」は宮殿内の区画の意》皇后・女御(にょうご)などの居所。宮中の常寧殿(じょうねいでん)のこと。きさいまち。「中宮は—より、いまだいらせおはしまさねば」〈著聞集・一四〉
こう【后】
[音]コウ(漢) ゴ(呉) [訓]きさき [学習漢字]6年 〈コウ〉 1 君主。「后王」 2 きさき。「后妃/皇后(こうごう)・三后・母后・立后・皇太后(こうたいごう)」 〈ゴ〉うしろ。のち...