おん‐じゅつ【恩恤】
恵み哀れむこと。「其心を苦め身を労し暫くも安居せず、数々—の典を垂れ」〈阪谷素・明六雑誌一五〉
かぞ‐いろは【父母】
《古くは「かそいろは」》父と母。両親。かぞいろ。「—何(いか)に哀れと思ふらん、三年(みとせ)になりぬ足立たずして」〈太平記・二五〉
かよわせ‐ぶみ【通はせ文】
恋文。艶書(えんしょ)。「あなたこなたの—皆哀れに悲しく」〈浮・一代女・一〉
くぼ・む【凹む/窪む】
[動マ五(四)] 1 周囲より低く落ち込む。へこむ。「目が—・む」「—・んだ土地」 2 うずもれる。おちぶれる。零落する。「我が君のあまねき御代の道つくり—・める身をも哀れとは見よ」〈新撰六帖...
ぐうじ‐ゆ【窮子喩】
仏語。「法華経」信解品(しんげぼん)に説かれるたとえ。幼いころ家出し、流浪して困窮した子を、父の長者が見つけて雇い入れ、しだいに重用して最後に実子であることを明かす。長者は仏を、子は声聞(しょう...
形影(けいえい)相弔(あいとむら)・う
《李密「陳情表」から。自分と自分の影とが互いに哀れみ、慰め合う意》孤独で訪れる人もなく、寂しいさまをいう。「全然(まるっきり)やもめで、実際—・うと云う其の影も」〈鏡花・婦系図〉
げき‐りょ【逆旅】
《「逆」は迎えるの意。「ぎゃくりょ」とも》 1 旅客を迎える所。宿屋。旅館。 2 旅をすること。旅。「—にして友なき哀れには、なにとなく心細き空に思ひしられて」〈海道記〉
こころ‐の‐あき【心の秋】
1 心に飽きがくること、人に飽きられることの「飽き」を「秋」に掛けていう。「しぐれつつもみづるよりも言の葉の—にあふぞわびしき」〈古今・恋五〉 2 寂しく哀れに感じること。「いつまでのはかなき人...
ささがに‐の【細蟹の】
[枕] 1 蜘蛛(くも)の意から、「蜘蛛」また同音の「雲」「曇る」にかかる。「—くものふるまひ哀れなり」〈玉葉集三〉 「—曇らぬ空に雨のみぞ降る」〈後拾遺・雑三〉 2 蜘蛛の糸の意から、「糸」ま...
させ‐も
「させもぐさ」の略。「契り置きし—が露を命にて哀れ今年の秋も往(い)ぬめり」〈千載・雑上〉