いっ‐ぴょう【一瓢】
一つのひょうたん。一つのひさご。転じて、わずかな飲料、特に酒をいう。「一箪(いったん)の食(し)一瓢の飲」「—を携(たずさ)えて墨堤に遊ぶ」〈漱石・吾輩は猫である〉
いつ‐りゅう【溢流】
[名](スル)あふれ流れること。「堤を決して—した」
いつりゅう‐てい【溢流堤】
⇒越流堤(えつりゅうてい)
いぬ‐ばしり【犬走り】
1 《犬が通れるほどの空間の意》築地(ついじ)や城の垣などと溝・堀との間に設けられた通路状の空き地。 2 建物の外壁面を保護するために、その周りの地盤をコンクリートや砂利で固めた所。 3 堤防・...
いぼじり【疣毟】
1 《「いぼむしり」の変化した「いぼうじり」の「う」の無表記》カマキリの古名。「—、かたつぶりなどを取り集めて」〈堤・虫めづる姫君〉 2 「疣毟巻」の略。
いり‐しお【入(り)潮/入り汐】
1 引き潮。干潮。「霜枯れの横野の堤風さえて—遠く千鳥鳴くなり」〈続古今・冬〉 2 満ち潮。差し潮。満潮。「浦荒れて風よりのぼる—におろさぬ舟ぞ波に浮きぬる」〈玉葉集・雑二〉
うち‐はや・る【打ち逸る】
[動ラ四]調子に乗る。勇み立つ。「ある上達部のおほむこ、—・りて物怖ぢせず」〈堤・虫めづる姫君〉
うつせ‐がい【空貝/虚貝】
1 海岸に打ち寄せられた、からになった貝。貝殻。和歌では「実なし」「むなし」「あはず」や同音の反復で「うつし心」などを導く序詞に用いられる。「上には白銀(しろがね)、黄金(こがね)の蛤(はまぐり...
え‐だ・つ【役つ】
[動タ四]夫役(ぶやく)を命じられて出る。「堤池に—・ちて百済池を作りき」〈記・中〉
えっ‐すい【越水】
[名](スル)河川の水が堤防を越えてあふれ出すこと。「—破堤」 [補説]堤防のある箇所で起こるのを「越水」、堤防のない箇所で起こるのを「溢水(いっすい)」として区別することもある。