くものうえ‐びと【雲の上人】
1 宮中の人。皇族。 2 殿上人。雲客。うんじょうびと。「いとどしく虫の音しげき浅茅生(あさぢふ)に露おきそふる—」〈源・桐壺〉
くも‐の‐かけはし【雲の梯】
1 雲がたなびくさまを、かけはしに見立てた語。「天の川—いかにしてふみ見るばかり渡し続けむ」〈落窪・一〉 2 深い谷間の空中高くかけ渡した橋。「水青きふもとの入江霧晴れて山路秋なる—」〈風雅・雑...
くらべ‐うま【競べ馬】
古くからの乗馬競技。2頭または数頭で、一定の距離を競走して勝敗を争う。奈良・平安時代には宮中儀式の一つともされた。特に、賀茂の競べ馬は有名。きそいうま。きおいうま。駒競(こまくら)べ。競馬(けいば)。
くら‐べや【暗部屋】
宮中の局(つぼね)の名。清涼殿の近くというが、正確な位置は不明。「つれづれなる昼つかた、—の方を見やれば」〈讃岐典侍日記・下〉
くろうど【蔵人】
《「くらひと」の音変化》 1 蔵人所(くろうどどころ)の職員。もと皇室の文書や道具類を管理する役であったが、蔵人所が設置されて以後は、朝廷の機密文書の保管や詔勅の伝達、宮中の行事・事務のすべてに...
くろうど‐どころ【蔵人所】
平安初期に設置された令外(りょうげ)の官。天皇と天皇家に関する私的な要件の処理や宮中の物資の調達や警備などをつかさどった。平安中期以後に職制が整い、別当・蔵人頭(くろうどのとう)・蔵人・出納・小...
くろど‐の‐ごしょ【黒戸の御所】
宮中の清涼殿の北、滝口の戸の西にあった細長い部屋。薪(まき)のすすで黒くなっていたところからの名。黒戸。
けい‐じん【鶏人】
平安時代、宮中で、時刻を知らせた役人。にわとりびと。
けっ‐てい【闕廷】
朝廷。宮中。
けつ‐えき【闕掖】
《「闕」「掖」はともに宮城の門の意》宮中。御所。禁掖(きんえき)。