くまの‐びくに【熊野比丘尼】
中世から近世にかけ、地獄極楽の絵解きをしながら、熊野三所権現勧進のため諸国を歩いた尼僧。小歌や俚謡(りよう)をうたい物乞いをして歩いた。のちには、売色を業とする者もいた。歌比丘尼。勧進比丘尼。
け‐に【化尼】
仏・菩薩(ぼさつ)などが尼の姿になってこの世に現れたもの。「化人(けにん)の女忽ちに来りて、—に、糸すでに調(ととの)ほれりやと問ふ」〈著聞集・二〉
こうた‐びくに【小歌比丘尼】
小歌をうたって勧進して歩く比丘尼。陰では売春を業とした。勧進比丘尼。「それは—とて、尼にする由承り」〈浄・百日曽我〉
さげ‐あま【下げ尼/垂げ尼】
尼削(そ)ぎにした髪形。また、その人。「黒髪の色は変はらぬ—のまことの筋に身はなびきつつ」〈新撰六帖・二〉
しゃみ‐に【沙弥尼】
《(梵)śrāmaṇerikāの音写》仏門に入り、髪をそって十戒を受けた初心の女子。修行未熟な尼僧。沙尼(しゃに)。→沙弥
しんごん‐だらに【真言陀羅尼】
密教の、短い呪文(じゅもん)の真言と、長い呪文の陀羅尼。
せんじゅ‐だらに【千手陀羅尼】
千手観音の功徳(くどく)を説いた経。千手経。
ぜんじょう‐に【禅定尼】
⇒禅尼(ぜんに)
ぜん‐に【禅尼】
仏門に入った在家の女性。禅定尼(ぜんじょうに)。→禅門
そう‐に【僧尼】
僧と尼。男女の出家者。