おもい‐うたが・う【思ひ疑ふ】
[動ハ四]不審を抱く。疑わしく思う。「更にな—・ひ給ひそ」〈落窪・二〉
思(おも)い内(うち)にあれば色(いろ)外(そと)に現(あらわ)る
《「礼記」大学から》心に思っていることは、自然に言葉の端や顔色に現れる。
おもい‐うと・む【思ひ疎む】
[動マ四]疎ましく思う。嫌に思う。「—・み給はば、いと心憂くこそあるべけれ」〈源・胡蝶〉
おもい‐うらぶ・る【思ひうらぶる】
[動ラ下二]心がしおれるほど悲しくつらく思う。「下恋(したごひ)に—・れ門(かど)に立ち」〈万・三九七八〉
おもい‐うん・ず【思ひ倦んず】
[動サ変]嫌になる。煩わしく思う。「むげにこそ—・じにしか。などさる者をば置きたる」〈枕・八三〉
おもい‐えが・く【思い描く】
[動カ五(四)]ものの姿・形などを、心の中で想像してみる。「将来の自分の姿を—・く」
おもい‐おき・つ【思ひ掟つ】
[動タ下二]あらかじめ、どのように取り計らうかを心に決める。「この—・つる宿世(すくせ)たがはば、海に入りね」〈源・若紫〉
おもい‐お・く【思い置く】
[動カ五(四)] 1 あとに、残念だという気持ちを残す。思い残す。「充分御饌(ごぜん)も頂戴し、…もう—・く事はないと考えて居ると」〈漱石・吾輩は猫である〉 2 心に決めておく。思い定める。「藤...
おもい‐おく・る【思ひ後る】
[動ラ下二]決心がおくれる。心を決めかねる。「あま舟にいかがは—・れけむ明石の浦にいさりせし君」〈源・若菜下〉
おもい‐おこ・す【思い起(こ)す】
[動サ五(四)] 1 思い出す。想起する。「若かりしころを—・す」 2 心を奮い立たせる。気を取り直す。「少将、御文を見て驚きながら、苦しき心地を—・して参りたり」〈宇津保・嵯峨院〉