な‐な
[連語] 1 《上代東国方言》活用語の未然形に付く。…ないで。…ずに。「我が背なを筑紫へ遣(や)りて愛(うつく)しみ帯は解か—あやにかも寝も」〈万・四四二二〉 [補説]前の「な」は打消しの助動詞...
なな‐せ【七瀬】
1 七つの瀬。数多くの瀬。「松浦川—の淀は淀むとも我は淀まず君をし待たむ」〈万・八六〇〉 2 七瀬の祓(はらえ)を行う7か所の瀬。「難波の御祓へ—によそほしう仕まつる」〈源・澪標〉
ななつ‐お【七つ緒】
1 七つの緒。多くのひもや糸。また、7本の弦。「—の琴」「我がうなげる玉の—」〈万・三八七五〉 2 輿(こし)や牛車(ぎっしゃ)などの御簾(みす)についている7本のひも。
なな‐よ【七夜】
1 7日間の夜。七晩。また、数多くの夜。「月重ね我が思ふ妹(いも)に逢へる夜は今し—を継ぎこせぬかも」〈万・二〇五七〉 2 子どもが誕生してから7日目の夜の祝い。おしちや。「たけならぬ二葉の松の...
何(なに)せむに
1 何のために。なぜ。「—我(わ)を召すらめや」〈万・三八八六〉 2 「何せむ」を強めた言い方。「銀(しろかね)も金(くがね)も玉も—まされる宝子にしかめやも」〈万・八〇三〉
なに‐とも【何とも】
[副] 1 (あとに打消しの語を伴って用いる) ㋐特別の感情を催さないさまを表す。別に大したものとも。物の数とも。「いにしへは—見ざりし衣裳の紋、今は目にたちて」〈曽我・三〉 ㋑行動を特定できな...
なにも【汝妹】
《「なのいも」の音変化。本来「な」は一人称》男が女を親しんで呼ぶ語。あなた。「愛(うつく)しき我(あ)が—の命(みこと)」〈記・上〉
なのり‐い・ず【名乗り出づ】
[動ダ下二]「名乗り出る」に同じ。「我なむかこつべき事あると、—・で侍りけるを」〈源・常夏〉
なのりそ【莫告藻/神馬藻】
ホンダワラの古名。和歌では「な告(の)りそ」の意に掛けて用いられたり、「名告る」を導く序詞を構成したりする。なのりそも。「海(わた)の底沖つ玉藻の—の花妹と我(あれ)とここにありと—の花」〈万・...
な‐ば
[連語]《完了の助動詞「ぬ」の未然形+接続助詞「ば」》 1 …てしまったならば。「冬来たり—春遠からじ」「潮干—またも我来む」〈万・三七一〇〉 2 確かに…ならば。「心だにまことの道にかなひ—祈...