かい‐だ・す【掻い出す】
[動サ五(四)]《「かきだす」の音変化》たまり水などをかきさらうようにして外にくみ出す。「船底の水を—・す」
かい‐だれ【掻い垂れ】
《「かきたれ」の音変化》神事や農耕儀礼に用いる紙の幣(しで)。後には注連(しめ)や御幣(ごへい)のこともさした。
かい‐つか・む【掻い掴む】
[動マ四] 1 しっかりつかむ。「乱髪を—・んで、首をかけ共かかれず」〈虎明狂・文蔵〉 2 「かいつまむ」に同じ。
かい‐つ・く【掻い付く】
《「かきつく」の音変化》 [動カ四]抱きつく。すがりつく。「ちごの、あからさまに抱きて遊ばしうつくしむほどに、—・きて寝たる」〈枕・一五一〉 [動カ下二]しっかりとつける。「紅といふもの、い...
かい‐つくろい【掻い繕ひ】
そばで世話をする人。特に、五節(ごせち)の舞姫の付添役の女房など。かしずき。「—ふたり、童(わらは)よりほかには、すべて入るまじと戸をおさへて」〈枕・九二〉
かい‐つくろ・う【掻い繕ふ】
[動ワ五(ハ四)]《「かきつくろう」の音変化》 1 服装の乱れなどを整える。また、威儀を正す。「襟を—・う」 2 整頓する。準備を整える。「矢をしきりに—・ひ—・ひ、甲(かぶと)の緒をこそしめた...
かい‐つま・む【掻い摘む】
[動マ五(四)](多く「かいつまんで」の形で用いる)要点を大ざっぱにとらえる。概括する。「—・んで言えば」
かい‐つら・ぬ【掻い連ぬ】
[動ナ下二]《「かきつらぬ」の音変化》連れ立つ。「むかし、男、逍遥しに、思ふどち—・ねて」〈伊勢・六七〉
かい‐づめ【掻い詰め】
すきまを作るために、物と物との間に棒などをはさむこと。また、そのもの。「片角に木枕を—にして」〈浮・二十不孝・一〉
かい‐ともし【掻い灯し】
《「かきともし」の音変化》油火を用いるあかり。特に清涼殿の夜の御殿(おとど)の四隅にともした灯籠(とうろう)のことをいう。「夜御殿のをば、—とうよなどいふ、まためでたし」〈徒然・二三〉