うち‐ぎき【打ち聞き】
１ ちょっと聞くこと。ふと聞き込んだ話。「深き筋思ひ得ぬほどの、—にはをかしかなりと耳もとまるかし」〈源・常夏〉 ２ 聞きつけたことを、書きとめること。また、その記録。聞き書き。「人と言ひ交した...
うち‐く・う【打ち食ふ】
［動ハ四］さっさと食べる。無雑作に食べる。「精進(さうじ)物のいとあしきを—・ひ」〈枕・七〉
うち‐くん・ず【打ち屈ず】
［動サ変］「うちくっす」の音変化。「かかる者は、—・じたるこそあはれなれ、うたても華やかなるかな」〈能因本枕・九一〉
うち‐しき【打（ち）敷（き）】
１ 菓子などを器に盛るときに敷く白紙。 ２ 調度などの下に敷く布。「さし油するに、灯台の—を踏みて立てるに」〈枕・一〇八〉 ３ 仏具などの敷物。「金入りの鳳凰の小袖は—、花車の縫ひの袷(あはせ)...
うち・す【打ち為】
［動サ変］ １ ちょっとする。無雑作にする。「帯ばかり—・したる若き法師ばら」〈枕・一二〇〉 ２ 雨などがさっと降る。「時雨—・して、ものあはれなる暮れつ方」〈源・葵〉
うちそ‐やし【打ち麻やし】
［枕］《「やし」は間投助詞》麻(を)を績(う)む意から「をうみ」の略の「をみ」にかかる。「—麻績(をみ)の子ら」〈万・三七九一〉 [補説]用例の原表記「打十八為」を「うつそやし」と読む説もある。
うちそ‐を【打ち麻を】
［枕］《「を」は間投助詞》「をみ」にかかる。うつそを。「—麻続王(をみのおほきみ)海人(あま)なれや」〈万・二三〉
うち‐ちょう・ず【打ちちょうず】
［動サ変］たたいてこらしめる。「この翁丸(おきなまろ)—・じて、犬島へつかはせ」〈枕・九〉 [補説]「ちょうず」は「懲ず」とも「調(てう)ず」とも考えられる。
うちで‐の‐はま【打出浜】
滋賀県大津市松本町付近の琵琶湖岸の名称。うちいでのはま。［歌枕］「近江なる—のうちいでつつ怨みやせまし人の心を」〈拾遺・恋五〉
うち‐と・く【打ち解く】
［動カ四］解く。ほどく。「碁を、やむごとなき人のうつとて、紐—・き」〈枕・一四六〉 
［動カ下二］「うちとける」の文語形。
