あい‐づち【相槌/相鎚】
1 鍛冶(かじ)で、二人の職人が交互に槌を打ち合わすこと。あいのつち。 2 相手の話にうなずいて巧みに調子を合わせること。「聞く人なげに遠慮なき高声、福も—例の調子に」〈一葉・われから〉
あい‐の‐つち【相の槌】
「相槌(あいづち)」に同じ。
あるじなきつち【主なき槌】
《原題、(フランス)Le Marteau sans maître》シャールの詩集。1934年刊。シュールレアリスム運動に距離をおき始めた時期の作品。
いし‐つつ【石槌】
古代の剣の一。柄頭(つかがしら)を石でつくったものという。「久米の子が頭椎(くぶつつ)い—いもち撃ちてし止まむ」〈記・中・歌謡〉 [補説]用例の「頭椎い」「石槌い」の「い」は上代の副助詞。
いし‐づち【石槌】
1 槌として用いられた石器。日本では縄文・弥生時代にわたってみられる。 2 地形(じぎょう)に用いる大石。数本の縄を結びつけ、数人が力を合わせて上下させて、地面を固める。
うちで‐の‐こづち【打(ち)出の小槌】
それを振ればなんでも思いどおりの物が出てくるという小さな槌。
う‐づち【卯槌】
平安時代、正月初の卯の日に中務(なかつかさ)省の糸所(いとどころ)から邪気払いとして朝廷に奉った槌。桃の木を長さ3寸(約9センチ)、幅1寸四方の直方体に切ったもので、縦に穴をあけ、5色の飾り糸を...
かな‐づち【金槌/鉄鎚】
1 つちの頭または全部を鉄で作ったもの。釘などを打ち込むのに使う。俗に、とんかちともいう。 2 《1はすぐ水中に沈むところから》泳ぎのできないこと。また、その人。
き‐づち【木槌】
木製のつち。
くぶ‐つつ【頭椎/頭槌】
「頭椎(かぶつち)の大刀(たち)」に同じ。「みつみつし久米の子が—い石槌(いしつつ)い持ち」〈記・中・歌謡〉