せん‐すべ【為ん術/詮術】
《「せん」はサ変動詞「す」の未然形に助動詞「む(ん)」の連体形の付いたもの。「詮」は当て字》あることをするための手段・方法。なすすべ。せんかた。「—を知らず」
せんすべ‐な・い【為ん術無い】
[形][文]せんすべな・し[ク]なすべき方法がない。しかたがない。せんかたない。「ここまでこじれては今や—・い」
た【為】
ため。多く格助詞「に」または「の」を伴って用いる。「竜(たつ)の馬(ま)を我(あれ)は求めむあをによし奈良の都に来む人の—に」〈万・八〇八〉
ため【為】
1 利益があること。役立つこと。「—にならない本」「子供の—を思う」 2 原因・理由。わけ。「雨の—に延期する」 3 目的や期待の向かうところ。「健康の—に運動をする」 4 一定の関係のあること...
ためかねきょうわかしょう【為兼卿和歌抄】
京極為兼の歌論書。弘安8年(1285)から弘安10年(1287)頃に成立。未定稿ともされる。
ため‐がき【為書(き)】
1 書画の落款(らっかん)に、だれのために、また、何のために書いたかを付記すること。また、付記した字句。 2 公職選挙のとき、「…候補の為に」として「必勝・祈御健闘」などと大書して事務所に届ける...
ため‐すじ【為筋】
利益になる事柄。利益になる客筋。おためすじ。「其が又所帯の方から謂えば、—にもなる所だから」〈紅葉・多情多恨〉
ため‐ずく【為尽く】
何事もその人のためを思ってすること。また、その人のためにするように見せかけること。おためずく。「肝煎りの嚊(かか)が—いうて近所へ沙汰なしに」〈浮・禁短気・三〉
ため‐に【為に】
[接]前に述べた事柄が原因であることを表す語。それゆえに。それで。「却ってそういう私自身の不幸をあてにして仕事をしに来た私は、—困惑したほどであった」〈堀辰雄・美しい村〉
為(ため)に◦する
ある目的に役立てようとする下心をもって事を行う。「我輩固(もと)より—◦する所ありて私立を主張するに非ず」〈福沢・学問のすゝめ〉