しかすが‐の‐わたり【然菅の渡り】
三河国宝飯(ほい)郡の吉田川(現在の豊川)の河口にあった渡し場。[歌枕]「ゆけばありゆかねば苦し—に来てぞ思ひわづらふ」〈中務集〉
しか◦なり【然なり】
[連語]《副詞「しか」+断定の助動詞「なり」》そうである。「生(しゃう)あるもの、死の近き事を知らざる事、牛、既に—◦なり」〈徒然・九三〉
然(しか)はあれど
そうではあるが。「年経(ふ)れば齢は老いぬ—花をし見ればもの思ひもなし」〈古今・春上〉
しか‐ばかり【然許り】
[副]それほどまで。「—契りしものを定めなきさは世の常に思ひなせとや」〈和泉式部日記〉
しか‐も【然も/而も】
《副詞「しか」+係助詞「も」から》 [接] 1 前述の事柄を受けて、さらに別の事柄を加えるときに用いる。その上。「あの方は私の恩師で、—命の恩人だ」 2 前述の事柄を受けて、それに反する帰結を...
しから‐し・める【然らしめる】
[動マ下一][文]しからし・む[マ下二]そのような結果にさせる。そうさせる。「政治の堕落は、国民の—・めるところだ」
しから‐ず‐ば【然らずば】
[接]《古くは「しからずは」》そうでなければ。しからずんば。「『われに自由を与えよ。—死を与えよ』」〈蘆花・思出の記〉
しから‐ずん‐ば【然らずんば】
[接]「しからずば」の音変化。「生か、—死か」
しから‐ば【然らば】
[接]そうであるならば。それならば。「計画は失敗か。—次なる方策を考えよう」 [感]さようなら。さらば。「『や、—』『はい、さやうなら』」〈滑・浮世風呂・四〉
しか・り【然り/爾り】
[動ラ変]《副詞「しか」にラ変動詞「あり」の付いた「しかあり」の音変化》そのようである。そのとおりである。そうである。「—・り、君の言うとおり」「俗語などは、はかなきもののようなれども、なかなか...