あまもり‐ぢゃわん【雨漏り茶碗】
高麗(こうらい)茶碗の一。長年使っているうちに茶が釉(うわぐすり)の気泡にしみ込んでできた、紫鼠色のしみがあるもの。雨漏り手。
いど‐ぢゃわん【井戸茶碗】
高麗(こうらい)茶碗の一。全体に淡い卵色の釉(うわぐすり)がかかり、胴にはろくろ目が目立つ。李朝前期の朝鮮で焼かれたもので、室町時代以来、茶人が愛用。最高のものとされる。いど。
おも‐ぢゃわん【主茶碗】
1 茶会で、複数の茶碗を使うときに主となる茶碗。正客に使う。→替え茶碗 2 重ね茶碗を使うときの第1碗。
かえ‐ちゃわん【替(え)茶碗】
茶会で、客が多人数のとき、主茶碗(おもぢゃわん)にかえて用いる副の茶碗。正客には用いない。
かさね‐ちゃわん【重ね茶碗】
茶の湯で、客が多人数の場合、2個の茶碗を重ねて持ち出し、濃茶または薄茶をたてる方式。
かず‐ちゃわん【数茶碗】
1 大寄せの茶会のとき、主茶碗(おもぢゃわん)・替え茶碗のほかに、水屋から茶をたてて出すのに使う茶碗。 2 数寄者(すきしゃ)あるいは宗匠が、数を限って焼かせる好みの茶碗。数の内茶碗。
くみだし‐ちゃわん【汲み出し茶碗】
茶の湯で、寄付(よりつき)や待合(まちあい)で用いる広口の小さな茶碗。香煎(こうせん)や昆布茶、桜湯などを入れて出す。勝手から湯を汲み入れて客に出すところからの名。汲み出し。
こいちゃ‐ぢゃわん【濃茶茶碗】
濃い茶をたてるのに用いる大形の茶碗。
こうらい‐ぢゃわん【高麗茶碗】
朝鮮から渡来して、桃山時代以降、茶人に抹茶茶碗として珍重された陶磁器の総称。主として李朝初期から中期にかけて焼かれたもので、井戸茶碗・三島手(みしまで)などがある。
ごけ‐ぢゃわん【後家茶碗】
対になっている茶碗の、一方が失われて一つだけになったもの。