わちき【私】
[代]一人称の人代名詞。江戸の遊女が用いた語。町家の娘が用いることもある。「—の口から失礼ざますけれど」〈魯文・安愚楽鍋〉
わっし【私】
[代]《「わたし」の音変化》一人称の人代名詞。わっち。「実あ—もあの隠居さんを頼って来たんですよ」〈漱石・草枕〉
わっち【私】
[代]《「わたし」の音変化》一人称の人代名詞。職人や遊女などが用いた語。「—には頭(てん)から解りませぬ」〈露伴・五重塔〉
わて【私】
[代]《「わたい」の音変化》一人称の人代名詞。わたし。あて。初め女性語であったが、後には男性も用いた。主に関西地方で使われる。
わらわ【私/妾】
[代]《「わらわ(童)」の意から》一人称の人代名詞。女性がへりくだって自分をいう語。近世では、特に武家の女性が用いた。