いなり【稲荷】
《「いななり(稲生)」の音変化という》 1 五穀をつかさどる食物の神、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)のこと。また、倉稲魂神を祭った、稲荷神社。 2 《倉稲魂神の異称である御食津神(みけつかみ)と...
いなり‐こう【稲荷講】
1 稲荷を信仰する人たちが祭礼や参詣のために組織する団体。《季 春》 2 江戸市中の稲荷小社の祭りに、子供が数人で狐を描いた絵馬板を持ち、家ごとに銭を請い歩いた風習。
いなり‐しんこう【稲荷信仰】
稲荷神、および稲荷神社に対する信仰。田の神の信仰など稲作との結びつきが強く、後世は商売繁盛の守り神ともされる。狐を稲荷神の使いとする俗信も加わって民間に広まった。
いなり‐じんじゃ【稲荷神社】
稲荷を祭った神社。特に、京都市伏見区にある総本社、伏見稲荷大社をいう。
いなり‐ずし【稲荷鮨】
煮つけた油揚げの中に鮨飯を詰めたもの。しのだずし。きつねずし。おいなりさん。《季 夏》
いなり‐どりい【稲荷鳥居】
鳥居の形式の一。柱と島木(しまぎ)との間に台輪(だいわ)を入れ、柱下に亀腹(かめばら)をつけたもの。稲荷神社で用い、柱の下部を黒塗り板木で巻いて、他を朱塗りとする。→台輪
いなり‐まち【稲荷町】
1 《楽屋内の稲荷明神を祭った近くにその部屋があったところから》江戸時代、歌舞伎での最下級の役者。また、その部屋。 2 《1から転じて》演技のへたな役者。
いなり‐まつり【稲荷祭(り)】
1 京都の伏見稲荷大社の祭礼。4月第2の午(うま)の日(古くは陰暦3月、中(なか)の午の日)の神幸祭(稲荷のお出(いで))、5月初卯(はつう)の日(古くは陰暦4月、上の卯の日)の還幸祭(稲荷のお...
いなり‐もうで【稲荷詣で】
2月の初午(はつうま)の日に、稲荷神社に詣でること。初午詣で。
いなり‐やま【稲荷山】
京都市伏見区、東山丘陵南端の山。標高239メートル。西麓に稲荷神社がある。[歌枕]「—みな見し人をすきずきに思ふ思ふと知らせてしかな」〈曽丹集〉