むら‐たず【群田鶴】
群がり集まっているツル。「—のやどれる枝と見るまでに松の緑も埋む白雪」〈恵慶集〉
むらたま‐の【群玉の】
[枕]糸に通した多くの玉がくるくる回る意から、「枢(くる)」にかかる。「—くるにくぎ鎖(さ)し固めとし」〈万・四三九〇〉
むら‐だち【群立ち/叢立ち】
むらだつこと。「立田山松の—なかりせばいづくかのこる緑ならまし」〈千載・秋下〉
むら‐だ・つ【群立つ/叢立つ】
[動タ五(四)] 1 一群になって立っている。群生する。むれだつ。「雑木交りに木深く—・って」〈風葉・青春〉 2 群がって上へあがる。一群をなして飛び立つ。むれだつ。「—・ち急ぐ嵐雲(あらしぐも...
むら‐ちどり【群千鳥】
群がっている千鳥。《季 冬》「暁をまぎれて行くや—/暁台」
むら‐どり【群鳥】
《「むらとり」とも》群がり集まった鳥。
むらどり‐の【群鳥の】
[枕]群鳥が、朝ねぐらを飛び立つところから、「群(むら)立つ」「朝立(だ)つ」「立つ」などにかかる。「—群立ち去(い)なば」〈万・一七八五〉 「—立ちにしわが名」〈古今・恋三〉
むら‐なえ【群苗】
群がり生えている稲の苗。「上野(かみつけの)佐野田の苗の—に事は定めつ今はいかにせも」〈万・三四一八〉 [補説]一説に、「むらなえ」は「点苗(うらなえ)」で、苗代(なわしろ)からひと握りの苗を抜...
むら‐むら【群群/叢叢】
[副] 1 そこここまだらに群がっているさま。「彼方此方に—と立ち駢(なら)ぶ老松奇檜(きかい)は」〈二葉亭・浮雲〉 2 群れをなして移動したり集まったりするさま。「雉子鳩が、神代に島の湧いたよ...
むら‐めか・す【群めかす】
[動サ四]群がる。群れをなす。「嵐に木の葉の散るごとく—・してぞ引きにける」〈義経記・六〉