げん‐さい【幻妻/衒妻】
1 広く女をいう語。特に、美人をいうこともあり、また、女をののしってもいう。「酒も—も向う持ちで、腹の痛まん散財や」〈上司・太政官〉 2 自分や他人の妻を卑しめたり、親しみを込めたりしていう語。...
げんしろう【源四郎/玄四老】
盗むこと。また、金銭をごまかすこと。もと、人形浄瑠璃社会の隠語。「おまいさんがたの、—してぢゃ菓子(くわしん)ぢゃてて」〈滑・膝栗毛・八〉
げんじ‐はちりょうのよろい【源氏八領の鎧】
清和源氏の宗家に代々伝えられたという8種の鎧。薄金(うすがね)・源太産衣(げんたのうぶぎぬ)・沢瀉(おもだか)・楯無(たてなし)・膝丸(ひざまる)・八竜(はちりょう)・月数(つきかず)・日数(ひ...
こう‐じるし【口印】
接吻(せっぷん)。江戸後期の流行語。「手つけの—までやらかして」〈滑・膝栗毛・初〉
こう‐てい【考訂】
[名](スル)考えて正しくなおすこと。「物品の優劣、工芸の精粗を、比較—する」〈魯文・西洋道中膝栗毛〉
声(こえ)を上(あ)・げる
1 大声を出す。また、今までより、大きな声を出す。「—・げて強調する」 2 意思表示をする。「反対の—・げる」 3 閉口する。音(ね)を上げる。「—・げさせてこませやい」〈滑・膝栗毛・八〉
小口(こぐち)を利(き)・く
利口ぶったことを言う。多少弁舌の才がある。「この商売屋の亭主とみえて、少し小口でも利かうといふ男」〈滑・膝栗毛・六〉
こ‐けん【沽券/估券】
《「沽」は売る意》 1 土地・山林・家屋などの売り渡しの証文。沽却状。沽券状。 2 人の値うち。体面。品位。 3 売値。「そんなら惣地代(そうぢだい)で—はいくら」〈滑・膝栗毛・二〉
こっけい‐ぼん【滑稽本】
江戸後期、文化・文政期(1804〜1830)を中心に行われた小説の一種。江戸の町人の日常生活に取材し、主として会話を通じて人物の言動の滑稽さを描写した。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」、式亭三馬の...
この‐うち【此の内/此の中】
1 こうしている間。そのうち。「—膳(ぜん)も出て、そこそこに食ってしまひ」〈滑・膝栗毛・初〉 2 せんだって。先日。「—、彦様の御使に初めて女郎町の揚屋にまかりて」〈浮・敗毒散・五〉