ありどおし【蟻通】
謡曲。四番目・準脇能物。世阿弥作で、貫之(つらゆき)集などに取材。紀貫之が蟻通明神を乗馬のまま通行して神の怒りに触れるが、和歌の徳により許される。
ありどおし‐みょうじん【蟻通明神】
大阪府泉佐野市長滝にある神社。祭神は大名持命(おおなむちのみこと)。枕草子に、その由来がみえる。蟻通神社。
蟻(あり)の穴(あな)から堤(つつみ)も崩(くず)れる
《「韓非子」喩老の「天下の難事は必ず易きよりなり、…千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の穴を以て潰(つい)ゆ」から》ほんのわずかな不注意や油断から大事が起こることのたとえ。
蟻(あり)の甘(あま)きにつくが如(ごと)し
利益のあるほうに、人が群がり集まることのたとえ。
蟻(あり)の一穴(いっけつ)天下(てんか)の破(やぶ)れ
大事は、ほんのささいなことから起こる。ちょっとしたことが原因で、たいへんなことになる。
蟻(あり)の思(おも)いも天(てん)に届(とど)く
⇒蟻の思いも天に登る
蟻(あり)の思(おも)いも天(てん)に登(のぼ)る
弱小な者でも一心に念じれば望みが達せられることのたとえ。蟻の思いも天に届く。
蟻(あり)の熊野(くまの)参(まい)り
多くの人がぞろぞろ列を作って行くことを、参詣人を引き合いに出したたとえ。
ありのこうず【蟻の構図】
津本陽の短編の企業小説、および同作を表題作とする小説集。昭和54年(1979)に刊。
ありのすさび
後藤宙外の小説。明治28年(1895)「早稲田文学」に発表。