なまず‐ぐま【鯰隈】
歌舞伎の隈取りの一。鼻脇から下部へ、墨で鯰ひげを描くのが特徴。鯰坊主(なまずぼうず)に用いる。
べに‐ぐま【紅隈】
歌舞伎の隈取りの一。油紅で赤く隈取るもの。荒事系の英雄や、おかしみのある敵役に用いる。筋隈・猿隈など。
み‐ぐま【水隈】
水流が岸に曲がり込んで入っている所。「み吉野の—が菅(すげ)を編まなくに刈りのみ刈りて乱りてむとや」〈万・二八三七〉
むきみ‐ぐま【剝き身隈】
歌舞伎の隈取(くまど)りの一。目頭から目尻にかけて、丸みをもたせて赤くぼかして隈取るもの。「対面」の曽我五郎や「助六」など、血気盛んな若者役に用いる。
め‐ぐま【目隈】
目のふちをくまどること。目のくまどり。「今ぢゃあ—を入れる者はねえ」〈滑・浮世風呂・四〉
もも‐くま【百隈】
多くの曲がりかど。「—の道は来にしをまた更に八十島(やそしま)過ぎて別れか行かむ」〈万・四三四九〉
やそ‐くま【八十隈】
多くの曲がり角。「この道の—ごとに万度(よろづたび)かへりみすれど」〈万・一三八〉
やま‐ぐま【山隈】
山の入り組んだ所。「姫君を介錯し、まづ—にぞ忍びける」〈浄・十二段〉
わい【隈】
[人名用漢字] [音]ワイ(漢) [訓]すみ くま 〈ワイ〉奥まった所。すみ。「界隈」 〈すみ(ずみ)〉「隈隈/四隈」