おこつ・る【誘る】
[動ラ四]だまして人をさそう。また、機嫌をとる。「このふみの、けしきなく—・り取らむの心にて、あざむき申し給へば」〈源・夕霧〉 [補説]仮名遣いは「おこつる」か「をこつる」か不明。
おと‐め【乙女/少女】
《「おと」は、動詞「お(復)つ」と同語源で、若々しいの意。本来は「おとこ」に対する語。「乙」は後世の当て字》 1 年の若い女。また、未婚の女性。むすめ。しょうじょ。処女。「—の悩み」「—壮士(...
おに・し【鬼し】
[形シク]《「おに」の形容詞化》鬼のように荒々しく残酷であるさま。「いと—・しう侍るさがなものを」〈源・夕霧〉
おぼろ‐づき【朧月】
霧や靄(もや)などに包まれて、柔らかくほのかにかすんで見える春の夜の月。《季 春》「大原や蝶(てふ)の出て舞ふ—/丈草」
お‐まし【御座】
《「まし」は尊敬の動詞「ます」の連用形から》 1 「御座所(おましどころ)」に同じ。「御車入れさせて、西の対に—などよそふ程」〈源・夕顔〉 2 敷物などを、その使用者を敬っていう語。「塗り籠めに...
おもい‐とど・む【思ひ止む】
[動マ下二] 1 思い切る。あきらめる。「いみじからむ過ちを、さしあたりて見つけたりとも、えとがめ—・むべうもあらず」〈夜の寝覚・三〉 2 深く考える。「物をいたう—・めたりし心に」〈源・夕霧〉...
おもい‐はる・く【思ひ晴るく】
[動カ下二]気持ちを晴らす。「例の気色(けしき)なる今朝の御文にもあらざめれど、なほえ—・けず」〈源・夕霧〉
おも‐な・る【面馴る】
[動ラ下二] 1 見なれて珍しく感じなくなる。「あまた年越ゆる山辺に家居して、綱ひく駒も—・れにけり」〈かげろふ・中〉 2 なれなれしくなる。「ほの好きたる方に—・れなましかば、かう初々しうも覚...
おんきょう‐しんごう【音響信号】
夜間や濃霧のときなどに、船が汽笛・サイレン・号鐘などを鳴らして行う信号。
おんな‐どころ【女所】
女のいる所。特に、女官などが控えている所。「—にて、しどけなくよろづのこと習ひたる宮の内に」〈源・夕霧〉