いろ‐くず【鱗】
1 魚などのうろこ。うろくず。〈和名抄〉 2 魚など、うろこのある生き物。うろくず。「宇治川の底に沈める—を網ならねどもすくひつるかな」〈栄花・御裳着〉
いろこ【鱗】
《「うろこ」の古形》 1 うろこ。いろくず。「高麗のあげばり十一間を—のごとくうちたり」〈宇津保・吹上下〉 2 頭のふけ。〈和名抄〉
うろ‐くず【鱗】
1 魚などのうろこ。いろくず。「その虫は—あり」〈体源鈔〉 2 魚。いろくず。「山野の獣(けだもの)、江河の—に至るまで」〈盛衰記・四〇〉
うろこ【鱗】
《「いろこ」の音変化》 1 動物の体を覆って保護する硬い薄片。魚類では真皮から形成されたもの、爬虫(はちゅう)類・鳥類や哺乳類の一部では表皮が角質化したもの。こけら。 2 「鱗形(うろこがた)」...
うろこ‐いし【鱗石】
三角形に切った石。うろこ形の石。敷石などに用いる。
うろこ‐がた【鱗形】
1 三角形を、うろこが重なり並んだような形に配列した文様。能楽では特に鬼女の衣装に用いる。 2 紋所の名。三角形と逆三角形または円形を組み合わせたもの。 [補説]曲名別項。→鱗形
うろこがた【鱗形】
謡曲。脇能物。喜多流。北条時政が、旗の紋を定めるため江の島弁才天に参籠(さんろう)すると、弁才天が三つ鱗(うろこ)の旗を授ける。
うろこ‐くぎ【鱗釘】
三角状の薄い小さな金属片。建具の枠にガラスを固定させるときに用いる。三角釘。葉鋲(はびょう)。
うろこ‐ぐも【鱗雲】
空高くうろこ状に広がる白色の雲。巻積雲のこと。鰯雲(いわしぐも)。鯖雲(さばぐも)。《季 秋》
うろこ‐ごけ【鱗苔】
ウロコゴケ科の苔(たい)類。腐木の上などに生え、長さ2〜5センチ。葉は茎の両側にうろこのように重なって並び、茎の腹側にも腹葉とよばれる小形の葉がある。