こ‐ちょう【胡蝶/蝴蝶】
1 昆虫チョウの別名。《季 春》「夕日影町半(まちなか)にとぶ—かな/其角」 2 紋所の名。チョウの形を図案化したもの。 [補説]作品名別項。→胡蝶
こちょう【胡蝶/蝴蝶】
源氏物語第24帖の巻の名。貴公子たちが求愛する玉鬘(たまかずら)に養父源氏までが懸想するさまを描く。 「胡蝶楽」の略。 謡曲。三番目物。観世・宝生・金剛流。旅僧が梅を見ていると、胡蝶の精が...
こちょう‐こつ【胡蝶骨】
「蝶形骨(ちょうけいこつ)」に同じ。
こちょう‐すみれ【胡蝶菫】
サンシキスミレの別名。
こちょう‐そう【胡蝶装】
《糊(のり)付けした面を開くと胡蝶が羽を広げたようになるところから》粘葉(でっちょう)装の異称。
こちょう‐の‐ゆめ【胡蝶の夢】
《荘子が夢の中で胡蝶になり、自分が胡蝶か、胡蝶が自分か区別がつかなくなったという「荘子」斉物論の故事に基づく》自分と物との区別のつかない物我一体の境地、または現実と夢とが区別できないことのたとえ。
こちょう‐むすび【胡蝶結び】
ひもや水引の結び方の一。チョウが羽を広げたような形に結ぶもの。祝儀袋の飾りに用いる。
こちょうらく【胡蝶楽】
雅楽。高麗楽(こまがく)。高麗壱越(こまいちこつ)調の小曲。舞は四人の童舞。延喜6年(906)に藤原忠房が作曲、敦実(あつみ)親王が作舞したと伝える。番舞(つがいまい)は迦陵頻(かりょうびん)。...
こちょう‐らん【胡蝶蘭】
ラン科の常緑多年草。葉は長楕円形。白や淡紅色の花が咲く。フィリピン・台湾の原産で、温室などで観賞用に栽培。ファレノプシス。《季 夏》「導かれ来し一卓の—/夜半」