コンプトンこうか【コンプトン効果】
X線やγ線などの高エネルギーの電磁波が電子に散乱され、元の波長より長くなる現象。電磁波(光)の粒子性を立証するもので、アインシュタインの光量子仮説の有力な証拠となった。1923年にコンプトンが発見。→コンプトン散乱
コンプトンガンマせんかんそくえいせい【コンプトンγ線観測衛星/コンプトンガンマ線観測衛星】
1991年4月、NASA(米航空宇宙局)がスペースシャトルを使って打ち上げたガンマ線観測衛星。名称は宇宙線の研究で知られる米国の物理学者アーサー=コンプトンに由来する。四つのガンマ線検出器を搭載し、10キロ電子ボルトから30ギガ電子ボルトまでのエネルギー領域で観測を行った。ガンマ線による全天地図の作成や活動銀河核・クエーサー・パルサーなどの観測を行い、2600回以上のガンマ線バーストを検出した。2000年6月に運用終了。CGRO(Compton Gamma Ray Observatory)。
コンプトンさんらん【コンプトン散乱】
電子などの荷電粒子による高エネルギーの電磁波の散乱。粒子の静止質量に対して電磁波のエネルギーが無視できないほど大きい場合、電磁波のエネルギーの一部は粒子に受け渡され、元の波長より長くなるコンプトン効果が起こる。電磁波のエネルギーが小さい場合はトムソン散乱となる。