東男に京女
男は男らしくいきな江戸の男がよく、女は優しく美しい京の女がよい。
あずまあそび【東遊び】
古く東国地方で、風俗歌に合わせて行われた民俗舞踊。平安時代から、宮廷・貴族・神社の間で神事舞の一つとして演じられた。歌方 (うたいかた) は笏拍子 (しゃくびょうし) を持ち、笛・篳篥 (ひちりき) ・和琴 (わごん) の伴奏で歌い、四人または六人の舞人が近衛 (このえ) の武官の正装などをして舞う。現在は宮中や神社の祭礼で行われる。東舞 (あずままい) 。
あずまうた【東歌】
上代、東国地方で作られた民謡風の短歌。万葉集巻14と古今集巻20の一部に収められる。
あずまうど【東人】
「あづまびと」の音変化。「あやしの—なりとも、賑ははしきにつきて」〈徒然・二四〇〉
あずまえびす【東夷】
京都からみて、東国の人、特に無骨で粗野な東国武士をあざけっていった語。東夷 (とうい) 。
あずまおとこ【東男】
1 関東生まれの男。特に、美しくしとやかな京女に対して、気立てに張りがあり、さっぱりしている江戸の男をいう。 2 東国の男子。「鶏 (とり) が鳴く—の妻別れ悲しくありけむ年の緒長み」〈万・四三三三〉 3 田舎くさく言語動作が粗野な関東武士などをいう。「荒ましき—の」〈源・宿木〉
あずまおどり【東踊(り)】
東京新橋の芸者連が、毎年春に新橋演舞場で催す舞踊の会。大正14年(1925)に始まり、戦争で一時中絶し、昭和23年(1948)復活。京都祇園の都踊りにならったもの。《季 春》
あずまからげ【東絡げ】
着物の裾を腰の両わきにからげて帯に挟むこと。東折り。あずまばしょり。「いざや潮を汲まんとして…—の潮衣」〈謡・融〉
あずまぎく【東菊】
1 キク科の多年草。本州中・北部の山地の草原に生え、葉はへら状で毛がある。4〜6月ごろ、周辺が淡紅紫色で中央が黄色の頭状花をつける。《季 春》 2 ミヤコワスレの別名。
あずまくだり【東下り】
京都から東国へ行くこと。中世・近世には、もっぱら鎌倉・江戸へ行くことをさす。海道下り。