あずまつづれ【東綴れ】
明治の末に、栃木県足利 (あしかが) 地方で織り出したつづれ織り。女性用の帯地にする。
あずまなまり【東訛り】
東国地方の言葉のなまり。京言葉に比べて下品なものとされた。東声 (あずまごえ) 。
あずまにしき【東錦】
1 金魚の一品種。オランダシシガシラとキャリコ出目金の雑種で、体形は前者に、体色は後者に似る。 2 アズマニシキガイの別名。
あずまにしきえ【東錦絵】
《上方の錦絵に対して、江戸で刊行された錦絵の意》浮世絵の一。明和年間(1764〜1772)鈴木春信の創始による。多色、木版刷り。江戸絵。東絵。
あずまにしきがい【東錦貝】
イタヤガイ科の二枚貝。潮間帯から水深20メートルまでの岩石に足糸で着生する。貝殻はホタテガイに似た形で、殻長7センチくらい。色は赤・紫など。殻表には大小の放射状の肋 (ろく) がある。食用。あかざらがい。
あずまねざさ【東根笹】
イネ科の常緑または半常緑性の植物。群生し、葉は小枝の先に6、7枚つき、先が鋭くとがる。穂は緑色または紫色。竹の子は細長く、皮は暗緑色または紫色。関東や東北地方に分布。
あずまびと【東人】
東国の人。田舎者の意を含んでもいう。あずまうど。あずまど。「破 (わ) り子や何やと、こなたにも入れたるを、—どもにも食はせ」〈源・宿木〉
あずまひゃっかん【東百官】
戦国時代以後、関東の武士が京都朝廷の官名をまねて用いた通称。多門 (たもん) ・左内 (さない) ・伊織 (いおり) ・左膳 (さぜん) ・右膳 (うぜん) ・数馬 (かずま) ・頼母 (たのも) など。
あずまむすび【東結び/吾妻結び】
ひもの結び方の一。輪を左右に出して、中を三巻きにしたもの。几帳 (きちょう) ・守り袋・すだれなどのひもを結ぶときに用いる。
あずまや【東屋/四阿/阿舎】
1 庭園などに設けた四方の柱と屋根だけの休息所。亭 (ちん) 。→ガゼボ 2 寄せ棟造りの建物のこと。→真屋 (まや) 催馬楽 (さいばら) の曲名。 (東屋)源氏物語第50巻の巻名。薫大将、26歳。左近少将との婚約に失敗した浮舟に、薫と匂宮の二人が思慕の情を燃やす。