牛に汗し棟に充つ
⇒汗牛充棟 (かんぎゅうじゅうとう)
牛に経文
いくら説き聞かせても効き目のないことのたとえ。馬の耳に念仏。
牛に食らわる
一ぱいくわされる。だまされる。「—◦れだまされた」〈虎明狂・鍋八撥〉
牛に対して琴を弾ず
《中国、魯 (ろ) の公明儀が牛の前で琴を弾じ、名曲を聞かせたが、牛は知らぬ顔で草を食っていたという「祖庭事苑」にある故事から》志の低い者や愚かな者に高尚な道理を説いてもわからないことのたとえ。牛に琴を聞かすよう。
牛にひかれて善光寺参り
《信心のない老婆が、さらしていた布を角にかけて走っていく牛を追いかけ、ついに善光寺に至り、のち厚く信仰したという話から》思ってもいなかったことや他人の誘いによって、よいほうに導かれることのたとえ。
牛にも馬にも踏まれず
子供が無事に育つことのたとえ。牛馬にも踏まれず。
牛の歩み
進み方が遅いことのたとえ。牛歩 (ぎゅうほ) 。
牛の一散
歩みの遅い牛が何かのはずみで一散に走るように、平生ぐずぐずしている人が深い思慮もなくむやみにはやり進むことがあることのたとえ。
牛の寝たほど
物がたくさんあるさま。山ほど。「内証には—金も捏 (つく) ねてゐるげな」〈浄・嵯峨天皇〉
牛の涎
だらだらと細く長く続くことのたとえ。