・・・ さきほど岡田さんが紹介かたがたちょっとお話になった通りこの春何か講演をというご注文でありましたが、その当時は何か差支があって、――岡田さんの方が当人の私よりよくご記憶と見えてあなたがたにご納得のできるようにただいまご説明がありましたが・・・ 夏目漱石 「私の個人主義」
・・・三好十郎作、杉本良吉演出、井上正夫、水谷八重子、岡田嘉子などと出ていて、これも面白くみました。私は先日来、ゴーリキイの研究を本にするために大変勉強したので、一息いれるのと暑さにうだったのとで、この数日一寸のびました。 この前のお手紙で国・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・同人としては中村武羅夫、岡田三郎、加藤武雄、浅原六朗、龍胆寺雄、楢崎勤、久野豊彦、舟橋聖一、嘉村礒多、井伏鱒二、阿部知二、尾崎士郎、池谷信三郎等の人々であった。中村武羅夫の論文がこの運動をまとめるきっかけとなったことは興味がある。自然主義の・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
・・・相談して岡田をひっかけ買わす。失敗 又東京に来る。やけ。 わるい男 Yのところに居るのに「何も其那とこに居いでもええやろ、若いのに」などそそのかした男。〔欄外に〕 ○平気で男の悪口を云う 世話になって居る。 ○い・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・ 中村武羅夫氏や岡田三郎氏によって、いわゆる転向作家に対するボイコットが宣伝されたとき、私は、ふとその友達の話を思い出したのであった。そして誰の目にも明らかなように、反動的な動機から呈出されている両氏のいい分のかげに隠されているものに対・・・ 宮本百合子 「冬を越す蕾」
・・・その頃の『文章世界』には塚本享生、片岡鉄兵、岡田三郎、塚原健次郎などという人達が始終投書していて、いつでも、特等というのか一等というのか、特に他の人達のより大きく別の欄へ掲載されるので、それで記憶に残っているような気がする。そんなに『文章世・・・ 宮本百合子 「昔の思い出」
・・・ それはそうと、今朝早く起きて岡田さんのところへ行くなどと云って居たが好い事をしたと思う。 私のすきでさして居る頭ほか入りそうにない小さい傘を幾本さしたところで、この雨では凌げるものではないもの。 電車の停留場に臆病らしく裾をつ・・・ 宮本百合子 「無題(三)」
出典:青空文庫