かいようしんそうすい【海洋深層水】
太陽光の届かない水深200メートル以上の深海に分布する水。地球上にある水の約90パーセントが深層水だといわれる。成分は場所によって異なるが、表層水に比べ低温で安定している。また、光合成が行われないため有機物が少なく、光合成によって消費される栄養塩類(珪酸塩・燐酸塩・硝酸塩・亜硝酸塩など)が多く残っている、病原菌なども非常に少ない、などの特性がある。水産、医療、食品の分野で利用が研究されている。
かいようせいきこう【海洋性気候】
島や沿岸など、海洋の影響を強く受ける地方にみられる気候型。気温の年変化・日変化が小さく、一年じゅう温暖で湿度が高く、雲量が大などの特徴がある。→大陸性気候
かいようせいだいちょうえん【潰瘍性大腸炎】
大腸の粘膜に潰瘍やびらんができる難病。直腸から結腸にかけて連続的に病変が広がり、下痢や腹痛が頻繁に起こる。炎症性腸疾患の一つで、国の指定難病に登録されている。原因として自己免疫反応の異常などが考えられているが詳細は不明。薬物で炎症を抑える内科的治療が行われる。重症の場合は結腸全摘手術などの外科的治療が行われる。UC(ulcerative colitis)。
かいようせいぶつ【海洋生物】
海に生息する生物の総称。植物は藻類が多く、高等植物はみられないが、動物では有孔虫などの原生動物からクジラなどの脊椎動物まで、ほとんどの門が生息する。
かいようてい【海洋底】
海の底。大陸棚・大陸斜面・深海底・中央海嶺・海溝・海山などに区分される。
かいようていかくだいせつ【海洋底拡大説】
マントル対流によって中央海嶺の中軸で高温物質が湧き出し、新しい海底となって海嶺の両側に広がっていき、古い海底は海溝でマントルの中に沈み込んで、常に更新しているという学説。この考えは、プレートテクトニクスに発展した。大洋底拡大説。海底拡大説。
かいようとうき【海洋投棄】
廃棄物を、海洋に投棄し処分すること。 [補説]1972年、海洋環境の保全のため、ロンドン条約が採択され、水銀・カドミウム・放射性廃棄物など特定の物質について海洋投棄が禁止された。日本は昭和55年(1980)に批准。1996年にはロンドン条約を強化する議定書が採択され、海洋投棄は原則全面禁止、浚渫 (しゅんせつ) 物や下水汚泥など一部の品目に限って例外として厳格な条件下で投棄が許可されることになった。
かいようびょう【潰瘍病】
細菌の寄生により柑橘 (かんきつ) 類やトマトなどの葉・茎・果実にかさぶた状の突起やくぼみを形成する病害。
かいようぶつりがく【海洋物理学】
海水の物性および物理現象を研究する海洋学の一分野。潮流・波浪・水塊など扱う内容は広い。
かいようほう【海洋法】
海洋に関する国際法。領海・排他的経済水域などの設定と利用、生物・鉱物資源の保存・開発、環境保護などについて規定したもの。国際関係の長い歴史の中で国際慣習法として発展・成立。第二次大戦後、国連の主導で法典化の作業が進められ、1982年に国連海洋法会議において国連海洋法条約が採択された。