・・・ 三・一五、四・一六などの後、運動の困難と再建の事業が集注的関心となった時代には、コロンタイズムは一応揚棄され、運動のためにはあらゆる個人の感情、個人生活の利害を犠牲にしなければならぬものであるという、いわゆる鉄の規律が一般の理解におか・・・ 宮本百合子 「新しい一夫一婦」
・・・正面から軍国主義の復活や侵略的な民族主義をたきつけることは出来ないから、民主主義者が提唱する人民的な民族主義に便乗して「日本を再建するために」云々と、民族自立の問題・主権在民の問題も――即ちポツダム宣言と新憲法の実質を左からぐるりと右へひと・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
・・・ヒューマニズムを提唱しはじめた人々自身が、その心理に、つよいプロレタリア文化・文学の運動忌避の要因をひそめていたから、一つ一つ、曲り角へ出るごとに、この運動には階級性がないこと、プロレタリア文化運動の再建ではないこと、階級意識をもつ人はボイ・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
・・・ 同時にこの総選挙の結果は、日本が民主の国として再建設されてゆくことがいかに困難な事業であるかということをも、おおうところなく国際間に証明した。総選挙という方法は民主の方法であろうが、その方法を通じて反映された今日の日本の現実は、どんな・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・を日本共産党再建の中心のように書き立てた魂胆も同じくここにあります。文化団体は合法的でやッつける口実がない。だから、そういう風に問題をこんぐらかし、大衆の目に何が何だか判らなくしておいて、かげで軍事的暴圧を振うのです。 八十日の間、私と・・・ 宮本百合子 「逆襲をもって私は戦います」
・・・戦争による未亡人の生活確立に関して、植民地から引揚げて来た人々の生活再建に対して、今日の吉田内閣は、どんな責任ある処置も行うことが出来ずにいます。 政府によって言明された大量馘首政策が比較的ゆるやかなテンポで行われているのも勤労階級の組・・・ 宮本百合子 「国際民婦連へのメッセージ」
・・・ 知らなかったけれどB・Cの外に砒素の薬が入っていたらしくて、それは心臓の為や体の再建の為に役立ったのでしょうが、あれの特徴で興奮性だからそういう刺激があって、レロレロのくせに働きすぎるというような傾きがありましたが、うちでの通称「ウワ・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・「スターリングラードの再建」の最後に彼ののべている感想には、真実の響がある。世界の元首たちが、スターリングラード市民の名誉のためにおくりものをした品々と云えば、中性の剣とか古代の楯の模造品であり、その記念帳にかかれた文字は、「世界の英雄・・・ 宮本百合子 「心に疼く欲求がある」
・・・島木健作氏が、農民組合活動における今日の諸タイプを描いた「再建」は単行本として出版されて各方面に印象を与えて間もなく発禁となり、「生活の探求」は、書下し長篇小説として出版された。「八年制」も「汽車の罐焚き」も好評を得た作品であり、それぞれそ・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・もし真実の道徳再建であるならば、今日世界の到るところで、日本の人民はじめ多くの民族が植民地政策と従属的な搾取から脱しようとしてけなげに闘っている歴史的、人類的意味が正直に理解されるべきである。中国の人民が泥と血の中から立ち上って安定ある民主・・・ 宮本百合子 「再武装するのはなにか」
出典:青空文庫