・・・ 〔二行分空白〕と云うやさしい女性らしい哥の句をくりかえしながら人々は二人の仲をいろいろに想像しながら又、この栄の有る二人をねたく思いうらやましく思いながら一寸は賞讚の声を止めなかった。沢山のうたはその出来の順に下枝から段々上枝・・・ 宮本百合子 「錦木」
・・・を加えた。ある一部のブルジョア・ジャーナリストは「青年」を称讚し、さすがは林房雄である。構想雄大で行文はいわゆるプロレタリア的でない清新の美に満ちていると、さながらその社会的根拠とともに創造性をも喪失したブルジョア文学の陣営内に一人の精力的・・・ 宮本百合子 「文学に関する感想」
・・・ 祖母は殆ど毎朝、新しい賞讚の言葉を発見した。そしてそれが小さいゴーリキイの心に快い緊張をよび醒した。言葉の流れる温い美しさ、真実のこもった単純な心から賞讚にじっと聴きいるのは心持よかった。 ゴーリキイは「非常に早くから祖父はある神・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
・・・めは一緒に行ってたのに やっぱり家のことや何かでやめてしまったのが幾人もある、――ちゃんと四年をしまうのは 何%位ある――たった二十五%――ルナチャルスキーがラブ・ファクを終った青年は最も賞讚さるべき勇士だと云った これは本当。・・・ 宮本百合子 「無題(七)」
・・・則的な必然的関連を獲得し、いかに運命的剰余となって新しく文学を価置づけるべきかと云うことについて論じ、併せてそれが個性原理としてどうして世界観念へ同等化し、どうして原始的顕現として新感覚がより文化期の生産的文学を高揚せしめ得るかと云うことに・・・ 横光利一 「新感覚論」
出典:青空文庫