・・・ 地方文化と都会文化との分裂、地方が文化上の搾取に会うことは、民主精神が伸長して、地方における人民自治の実質が高まったとき、根底から変化させられる。 社会政治の全面に、わたしたちの健全な判断力が反映してゆくにつれて、文化に対しても私・・・ 宮本百合子 「木の芽だち」
・・・が終っているあとにつづく闘病者の現実、療養所内の自治会活動についてあらわれている現実の細目とでもいうべき題材である。誠実な心情がうけとれる。作者は、しかし、人道的であり集団的活動の熱意をもって働いている主人公のありかたについて、もう一つ深め・・・ 宮本百合子 「『健康会議』創作選評」
・・・そのための強国間の協力、原子爆弾の禁止、人種的差別の撤廃、マーシャル・プランの廃止、植民地住民の自治原則確立、日独に対する講和促進と占領軍の撤退、中国における民主的連立政権の樹立、タフト・ハートレー法の撤廃、非米委員会活動の廃止、基本産業の・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
・・・ 階級的自治の訓練は、この時代から行われている。各級には、衛生委員、従業委員、社会活動委員等がある。それらの委員から一級一人ずつの代表が出て、学校長、教師代表、労働組合からの代表などと一緒に学校委員会を組織する。 遠足をやるにしても・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・ なお放送委員会はその職責をはたすために商業、工業、金融、労働、農業、教育、地方自治などの団体代表の意見を徴するようにつとめなければならないとされている。この諸団体のなかに民主的な文化団体があげられていないのはなぜだろうか。一九四六年に・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・ 学校の寄宿舎生の間に、自分たちで組織している物資融通機関のようなものや、輪読会のようなものや、級自治会のようなものはあるのだろうか。自分たちの生活の必要にたって、必要を整理解決してゆく政治の初歩的なそういう習慣が女学校生活の何年間かに・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
・・・もし人民が、現在日本政府は武力をもっていないという公の建前を無視して動けば、政府は、連合国勢力に誇大的訴えとして、人民に自治自制する能力なし、と実証し、反動に一歩前進しようと試みるであろう。人民の力の表現である真に民主的な政党は、治安維持法・・・ 宮本百合子 「人民戦線への一歩」
・・・ 五つ、六つの組では、もうそろそろソヴェト市民の自治がはじまる。――組の当番が出来て、たとえば食事前手を洗う。それを本当にチャンと洗ったか洗わないか、姆母さんだけが一人一人つらまえて「さあ見せて御覧なさい」とばかりは云わない。「さあ・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
・・・各専門学校、大学などで学内自治の運動が起っているのは当然である。学生達は自分達の中から委員を選んで食糧の困難、宿舎の問題、資材難を解決しようとしている。学校当局は、丁度幣原内閣が、増産対策も、食糧対策も現実には持っていなくて自然、働く者の生・・・ 宮本百合子 「青年の生きる道」
・・・ 後藤新平の自治に関する講演 ひどく生物哲学を基礎とする自治本能という。「私が云う自治というのは、決してむずかしいことではない、誰にでもじき覚えられる。私のところへ来る少女団や少年団の子供もよく覚える。たった三箇・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
出典:青空文庫