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・・・ 私は芸術的良心が生活態度の誠実でない人の心に栄えるとは思わない。四 フランスやイタリアの作家には饒舌が眼につく。私はダヌンチオやブウルジェエの冗漫に堪え切れない。トルストイに至ってはさすがに偉大である。たとえばあの大部・・・
和辻哲郎
「生きること作ること」
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・・・従ってそういう庭は、杉苔の生えるにまかせておけば自然にできあがってくる道理である。臨川寺の庭などは、杉苔の生えている土地の土を運んで来て、それを種のようにして一面にふりまいておいただけなのである。しかしその結果として一面に杉苔が生い育ち、む・・・
和辻哲郎
「京の四季」