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・・・ 一滴でもアルコールがはいったら最後、あなたはへべれけになるまで承知しないんだから折角ひっくくって来たんだから、こっちはあくまで強気で行くよ。その代り、原稿が出来たら、生ビールでござれ、菊正でござれ、御意のままだ。さア、書いた、書いた」・・・
織田作之助
「四月馬鹿」
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・・・「へべれけに酔っ払いてえなあ。そうして何もかも打ち壊して見てえなあ」と怒鳴った。「へべれけになって暴れられて堪るもんですか、子供たちをどうします」 細君がそう云った。 彼は、細君の大きな腹の中に七人目の子供を見た。・・・
葉山嘉樹
「セメント樽の中の手紙」