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・・・ マークの死後、放心の状態におかれたスーザンは、ある夜眠られぬままに、群像をこしらえかけたままにしておいた納屋へ、ランプをもって入っていく。マークはもうこの世にいない。その恐怖は何と寒く烈しいだろう。その恐怖からのがれる道は、スーにとっ・・・
宮本百合子
「『この心の誇り』」
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・・・或時は同性の心易さからの無関心――無邪気な放心であり、或時には微妙な、宛然流れ混る雲のように微妙な、細心な uneasy から、無関心に遁げる場合もございましょう。其に、如何うしても、生活範囲が或一区画に限られ勝でございますから、刺戟の少い・・・
宮本百合子
「C先生への手紙」