もうしさた【申(し)沙汰】
1 申しのべること。また、弁論すること。「此の事勝れて—したりける粟飯原下総守清胤、俄に心替はりして」〈太平記・二七〉 2 うわさをすること。評判。取り沙汰。「定めて御出家もやと、—しける程に」〈盛衰記・三〉 3 事柄を処理すること。取り計らうこと。「功あらん者には、則ち恩賞を—すべき由返答して」〈太平記・六〉
もうしじょう【申(し)条/申(し)状】
1 言い分。主張。「余りに本職を軽蔑した—じゃないか」〈木下尚江・良人の自白〉 2 (申し状) ㋐⇒申文 (もうしぶみ) 1 ㋑中世、訴訟のときの原告の訴状。目安。もうしぶみ。「いまだ恩賞を給ひたる者あらざるに、—を捨てて訟 (うったへ) を止めたるは」〈太平記・一三〉
もうしたて【申(し)立て】
1 申し立てること。また、その言い分。「異議の—」 2 裁判所や行政庁などに対して、一定の行為を要求する当事者の意思表示。「和解—」
もうしつぎ【申し次ぎ】
1 申しつぐこと。言いつぐこと。また、それをする人やその内容。「常葉 (ときは) すでに参りしかば、伊勢守景綱—にて」〈古活字本平治・下〉 2 「申次衆 (もうしつぎしゅう) 」の略。「公方にては—と申し、私にては奏者と申し候」〈宗五大草紙〉
もうしつぎしゅう【申次衆】
室町幕府の職名。将軍御所に参上した者の名や用件などを取り次いだ役。また、その人。申し次ぎ。奏者 (そうしゃ) 。
もうしつけ【申(し)付け】
申し付けること。また、その内容。「お—の件、さっそく処理致します」
もうしづま【申し妻】
妻を授けてもらおうと神仏に祈願すること。また、そうして授けられた妻。「清水の観世音に—をしてあるが」〈狂言記・伊文字〉
もうしで【申(し)出】
申し出ること。また、その内容。もうしいで。「援助の—がある」
もうしひらき【申(し)開き】
非難を受けたり疑惑をまねいたりした事柄について、そうせざるをえなかった理由や身の潔白を述べること。弁明。釈明。言い開き。「—をする」「—が立たない」
もうしぶみ【申文】
1 下位の者から上位の者へ、願い事などを書いて差し出す文書。中世には多く申し状とよばれた。奏文。「入道殿下の御前に、—をたてまつるべきなり」〈大鏡・道長上〉 2 特に平安時代以後、官人が、叙任や官位の昇進を望むとき、その理由を書いて朝廷に上奏した文書。款状 (かんじょう) 。「いみじうこほりたるに、—もてありく」〈枕・三〉