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・・・天の第二級雲の上にある宮。もくもくした灰色又は白の積雲に支えられ、宙に泛んだ大卓子のように見える。遙か彼方に、第一級、上帝の宮殿が、輝くパンシーオン風の柱列をもって眺められる。ヴィンダーブラ、ミーダと連立って、上帝の宮殿・・・
宮本百合子
「対話」
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・・・そして、栖方に挨拶して黙黙とフォークを持ったが、この佐官もひどくこの夕は沈んでいた。もう海軍力はどこの海面のも全滅している噂の拡がっているときだった。レイテ戦は総敗北、海軍の大本山、戦艦大和も撃沈された風説が流れていた。 珍らしいパン附・・・
横光利一
「微笑」