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・・・安価なフィクションとよみもの的な情景の設定で、人間の悲痛を猟奇にすりかえてしまっている。 勤労者としての生活を営んでいる人々の「文学ずき」が、同じく現代文学におこっているなだれの下じきになっている。そして「細雪」は「天然色映画のようにた・・・
宮本百合子
「現代文学の広場」
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・・・没落期に入ると一緒に、それは享楽的なブルジョア文化の消費者の猟奇癖をたんのうさせるために役立ち、急テンポに侵略的帝国主義のデクになり下りつつあるのだ。 群司次郎正という大衆作家がある。彼はよみ物提供の種をさがしに、異国情調、国際的背景を・・・
宮本百合子
「プロレタリア文学における国際的主題について」