イスラムきょう【イスラム教】
《(アラビア)al-Islām》世界宗教の一。7世紀初めに、アラビアのメッカでムハンマド(マホメット)が創唱した。ユダヤ教・キリスト教と並ぶ一神教で、神からの啓示の記録とされるコーランが聖典。信仰の基本として、唯一神アッラー・天使・啓典・預言者・終末と来世・予定(天命)の六つを信じること(六信)と、実行すべき基本的義務として、信仰告白、礼拝、喜捨、断食、メッカへの巡礼を行うこと(五行)にまとめられる。多数の派があり、特にスンニー派とシーア派に大別される。アフリカから中近東、東南アジアにかけて約7億の信徒がおり、独自の社会、国家を形成している。中国には7世紀末に伝わり、清真教・回教・回回 (フイフイ) 教などと呼ばれた。マホメット教。
イスラムきょうどうたい【イスラム共同体】
⇒ウンマ
イスラムきんゆう【イスラム金融】
コーランの教えに基づき、イスラム社会で行われる金融取引。利子の受け渡しがなく、酒・賭博・ポルノ・武器など、教義に反する事業への投資を行わないのが特徴。物品の売買価格の差額、リース料、配当金などを組み合わせ、利子の代わりとして扱う。預金・ローン・投資ファンド・債券・保険など、各種金融サービスがある。非イスラム圏からの投資も多い。
イスラムげんりしゅぎ【イスラム原理主義】
《Islam fundamentalism》イスラム世界において、西欧的近代化を否定し、イスラム法に基づく国家・社会への回帰を求める思想や運動。イスラム復興運動。
イスラムさいけん【イスラム債券】
⇒スクーク
イスラムしょこくかいぎきこう【イスラム諸国会議機構】
イスラム協力機構(OIC)の旧称。
イスラムせいせんきこう【イスラム聖戦機構】
《Islamic Jihad organization》イスラム教シーア派の過激派組織。レバノン内戦中の1980年代に、ベイルートをはじめとして各地でテロ活動を行った。
イスラムていこく【イスラム帝国】
イスラム教徒が西アジアを中心に建設した諸帝国の総称。ムハンマドの死後に始まる正統カリフ時代から、1922年に崩壊したオスマン帝国までの諸帝国をさすが、狭義にはアッバース朝をいう。サラセン帝国。
イスラムほう【イスラム法】
⇒シャリーア
イスラムれき【イスラム暦】
イスラム教諸国で用いられる太陰暦。ムハンマドによるメッカからメジナへの移住(ヒジュラ)を記念して、のちに陰暦のこの年の元日(西暦622年7月16日)を起点として定めたもので、ヒジュラ暦、マホメット暦、また回教暦ともいう。1年は354日で、30年に11回の閏年 (うるうどし) を置く。1年を12か月に分け、断食の第9月(ラマダーン)、巡礼の第12月を特に神聖視する。