・・・ その解決を求めて、今年のブルジョア文学は前例ないほどドストイェフスキーやバルザック、ゴーゴリなど外国の古典的作品の再検討をとりあげ、明治文学研究も行われた。リアリズムの問題も、プロレタリア文学運動に新たな方向を与えた社会主義的リアリズ・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
○雲に映るかげ ○茅野の正月 ○ゴーゴリ的会の内面 ○アルマ ○花にむせぶ(Okarakyo の夫婦、犬、息子 ○となり座敷 ○夢、 雲に映る顔 ○夕やけの空を見て居る。・・・ 宮本百合子 「一九二七年春より」
・・・ 一八四二年にゴーゴリが死んだ。その時、ツルゲーネフは極めて自然の感情の発露によってゴーゴリの功績を讚えた哀悼文を書き、それをモスクワの或る新聞へよせた。すると、日頃ツルゲーネフに目をつけていた官憲はその文章が不穏であるという咎で、ツル・・・ 宮本百合子 「ツルゲーネフの生きかた」
・・・プーシュキン、ゴーゴリ、レルモントフ等をはじめ、トルストイ、チェホフ、ゴーリキイなどをのぞいたら、世界の文学は云わば背骨の大切な部分をひきぬかれたようなものだ。チェルヌイシェフスキー、ベリンスキーその他の人々の文芸評論は、世界文学に、社会と・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・この時よりずっと後になって、僕はゴリキイのフォマ・ゴルジエフを読んだが、若しきょうあのフォマのように、飾磨屋が客を攫まえて、隅田川へ投げ込んだって、僕は今見たその風采ほど意外には思わなかったかも知れない。 飾磨屋は一体どう云う男だろう。・・・ 森鴎外 「百物語」
出典:青空文庫