・・・ パール・バック夫人が、今度の事変について書いている文章がはっきりその実例を示している。 火野葦平という人が、芥川賞を貰った。彼が今日おかれている境遇にあって、自分が作家であるという自覚をつよめられたことは興味あることだと思う。「糞・・・ 宮本百合子 「文学の流れ」
・・・けれども、きょう真面目なアメリカの人々が、第三次の戦争を希望しているとは思えようもない。パール・バックは平和の確保のためにあのように熱心だし、「怒りの葡萄」「真珠」などの作品で世界的なアメリカの作家スタインベックは最近ソヴェトを訪問して「鉄・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
パール・バック夫人が主として中国人の生活を描いているのに対して、アリス・ホバード夫人は「揚子江」で、中国における白人の生活と闘争とを描いている。そして、この二人の作家は、永年に亙る中国での生活経験と観察との結果、それぞれに・・・ 宮本百合子 「「揚子江」」
・・・ 既刊の五冊を読んだ感想として、パール・バックが中国の生活を描いたこれらの作品は、とくに今日の日本の読者にはぜひ熟読されるべき性質のものであるという感が深い。パアル・バックはアメリカ人である。中国の奥地へ入って、そこで生涯を終ったアメリ・・・ 宮本百合子 「若い婦人のための書棚」
・・・の序文で希望し説明している方向に解決されているなら、女性が最ものびやかであると云われているアメリカから、パール・バックの「この心の誇り」の悲劇は発生しない筈なのであるから。 日本の近代文学のなかには、「車輪の下」「プチ・ショーズ」と並ぶ・・・ 宮本百合子 「若き精神の成長を描く文学」
出典:青空文庫