・・・ 英国人で五十歳ぐらいの背の高い肥ったそしてあまり品のよくないブラムフィールド君が独唱をやると、その歌はだれでも知っているのだと見えて聴衆がみんないっしょに歌い出してせっかくの独唱はさんざんに押しつぶされてしまった。おかしくもあったが気・・・ 寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
・・・s exhaustive investigations on the origin of the rainy season, "Baiu," is a genuine classic in this field. His work rega・・・ 寺田寅彦 「PROFESSOR TAKEMATU OKADA」
・・・ ロザリーは、英国のイボッツフィールドの教区長の末娘に生れました。 父親は、ケムブリッジ大学を卒業し、ひとから未来を属望され、自分も大いに活動する気でいたところが、彼の盲滅法な性質から、深い考えもなく或る私塾を開いている牧師の娘と恋・・・ 宮本百合子 「「母の膝の上に」(紹介並短評)」
・・・ 英国では、マクドナルド労働党内閣は婦人労働大臣にミス・ボンフィールドを任命していた。大臣はソヴェト同盟ばかりではないぞといばった。資本主義経済の必然の行きづまりで、労働党内閣は、今度保守党自由党の連立内閣をつくった。そして、労働党も日・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・ペニーフィールドの支那町は夜九時のロンドン・ドックを通り抜けると同じ速力で。 テームズ河底のトンネルは白タイル張で煌々たる電燈に照し出された。大型遊覧自動車のエンジンの音響はトンネルじゅうの空気をゆすぶった。塵埃を捲き上げて穹窿形の天井・・・ 宮本百合子 「ロンドン一九二九年」
出典:青空文庫