・・・ Black and White ばかりでございますが、……」 僕は曹達水の中にウイスキイを入れ、黙って一口ずつ飲みはじめた。僕の鄰には新聞記者らしい三十前後の男が二人何か小声に話していた。のみならず仏蘭西語を使っていた。僕は彼等に背中・・・ 芥川竜之介 「歯車」
・・・ 参考書のたぐいPlaton : Symposion, Phaidros.Dante : Vita nuova.Goethe : Die Leiden des jungen Werthers.Scho・・・ 倉田百三 「学生と生活」
・・・ 次に問題になるのは F(H)uz(d, t)i, Hiuti, Kudy, Kdu(sima), Kuti(no sima) の類である。KとHは日本語でもしばしば転化するからここではかりに同じと見て、次のような子音分類をする。すなわ・・・ 寺田寅彦 「火山の名について」
・・・子供らは N. L. D. の金文字を入れた黒リボン付きの紙帽子をかぶり、手んでに各国の国旗を持ち、楽隊の先導で甲板を一周した後に食卓についた。おとならはむしろうらやましそうに見物していた。……T氏と艙へはいって、カバンを出してもらって、ハ・・・ 寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
・・・B. H. Chamberlain : "Bash and the Japanese Epigram." Trans. Asiatic Soc. Jap. Reprint Vol.1 (1925), 91.Paul-Louis ・・・ 寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
・・・なんとなればそれぞれの終わりに if C is D, if C is E. という文句が抜けているのが普通である。われわれはこの事を忘れて果てのない議論に時間を空費している。 八「唐土にても墨張とて学問にあまり精を入れし・・・ 寺田寅彦 「人の言葉――自分の言葉」
・・・日附の所に D. Berolini d. 19. mens. V anni MDCCCCIX とあって下に総長の署名がある。「ベルリン」までがラテン化しているのでまた少し驚いた。それからもう一枚哲学部長の署名のあるこれもラテン語の入学免状を・・・ 寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
・・・左右田君に聞くと Wollen Sie dort anschliessen ? と云っただけなのだそうである。カール総長の握手の力の強いのにびっくりした。総長にでもなる人にはやはりそれだけの活力があるのかと思われた。 入学証書と云ったよ・・・ 寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
・・・ この疫病の記述によってルクレチウスの De Rerum Natura は終わっている。これはわれわれになんとなく物足りない感じを与える。ルクレチウスはおそらく、この後にさらに何物かを付加する考えがあったのではないか。私はこの書に結末ら・・・ 寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
・・・ Newton, Opticks, pp. 375, 376, Second edition, 1718. L'Illustration, 7 Juillet, 1928. Daly, Igneous Rocks and the・・・ 寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
出典:青空文庫