・・・そういう経験をもっていて労働者農民の国ソヴェト同盟の暮しを見たのだから、プロレタリアートの国ソヴェト同盟では、国庫全額負担の失業手当があり、養老保険があり、小学校から大学まで労働者にとっては無料であると語る時、なみなみでない情熱が感じられ、・・・ 宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
・・・学問は、本はプロレタリアート、農民、一般勤労者の日常必需品だ。その階級的武器を、出来るだけ正確に、出来るだけたやすく、みんなの手に渡らせよう! そういう積極的な意志がありあり感じられた。――文盲は勤労者の恥だ―― 大体、・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・ レーニンはソヴェト同盟が重工業を振興させ、労働の生産力・技術を増大させることによって、実力的にヨーロッパ資本主義国を追いぬかなければならないという点に、絶えず全ソヴェトのプロレタリアートの注意を引きつけて来た。五ヵ年計画の基礎はこの線・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・今や、プロレタリアート・農民の婦人は出産の床の中に、八百屋で買う一本の葱の中にまで、自身の熱い階級闘争を感じずにはいられぬ情勢に来ているのだ。 だが、プロレタリア作家たちは、プロレタリア・農民が解放へ向って闘う複雑な現実の一部として、あ・・・ 宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
・・・国内の情勢をはかる場合、プロレタリアートの先進部隊としての役割が改めて重大関心の焦点となった。 民主主義文学運動が、その本来の性質にふくんでいる人民としての政治的要素、階級文学としての政治性は、ここにおいて一九四八年末から一九四九年にか・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・その河が二股にわかれた北河岸に、不規則な三角形の城壁でとりまかれた一区廓は、全世界のブルジョアとプロレタリアートに一種の感銘をもってその名をひびかしているところのクレムリン。 この頃は城壁内の青草が茂って、ビザンチン式の古風な緑や茶色の・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
・・・何故ならマルクスがバルザックの作品を評したなかで、バルザックが政治的には王党派であったにもかかわらず彼の文学におけるリアリズムの力は、どんな経済学の本よりも当時のフランスの社会相とプロレタリアートの未来を描破しているという意味の言葉を云って・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・国内的にはプロレタリアートの指導権が統一確立され、ぐるりをとりまく資本主義国間の矛盾に面して社会主義人民政権として独自の立場から対処する能力が備った。芸術の創作方法が、第一次五ヵ年計画を境として、初期の、唯物弁証法的創作方法から、社会主義的・・・ 宮本百合子 「作家の経験」
・・・ ソヴェトのプロレタリアートは雨傘なんてなしで「十月」をやりとげた。一九三〇年、モスクワの群集中にある一本の女持雨傘は、或る時コーチクの外套ぐらい階級性を帯びるのだ。 歩道の上でかたまってる人影が見え出した。鞣防寒帽子の耳覆いを、赤・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・ プロレタリアートの姉妹たち! われわれはこの記事から、プロレタリアの女として、どんな「天来の福音」を感じることができるか。 資本家の政府は、こわくなって来たんだ。資本主義経済の行きづまりで失業者をドシドシ往来にホッポリ出してい・・・ 宮本百合子 「「市の無料産院」と「身の上相談」」
出典:青空文庫