・・・ 文珠菩薩守本尊 金と朱で書いた「お守」だった。 マルキストにお守では、どうにもおさまりがつかない、俺は独りでテレてしまった。 中を開けてみると「文珠菩薩真言」として、朝鮮文字のような字体で、「オン、ア、ラ、ハ、・・・ 小林多喜二 「独房」
・・・人道主義的なマルキストであり、感傷的な文学少年、数学の出来なかったぼくは、ひどい自涜の為もあったのでしょう、学校に友達なく、全く一人で、姉、近所のW大生、小学時代の親友、兄夫婦も加えて、プリント雑誌『素描』を二年続けました。兄の運動の為、父・・・ 太宰治 「虚構の春」
コンミニズム文学の主張によれば、文壇の総てのものは、マルキストにならねばならぬ、と云うのである。 彼らの文学的活動は、ブルジョア意識の総ての者を、マルキストたらしめんがための活動と、コンミニストをして、彼らの闘争と・・・ 横光利一 「新感覚派とコンミニズム文学」
出典:青空文庫