ひとつがい【一つ買い】
1 一つだけ買うこと。よいものを一つ選んで買うこと。 2 遊女を1回だけ買うこと。「殿だ大尽だともいはれて…—をもした者でおんぢゃり申したさ」〈浄・加増曽我〉
ひとつがき【一つ書(き)】
各行のはじめに「一、何々」と箇条書きにすること。また、その文書。
ひとつがね【一つ鉦】
歌舞伎下座音楽に用いる楽器。仏教の鉦鼓 (しょうこ) を小型にしたもので、寺院や殺しの場面などに用いる。伏せ鉦。
ひとつかま【一つ釜】
1 同じ一つの釜。 2 生活を共にする親しい間柄。「一緒に働いていた—の仲間さえ」〈椎名・深尾正治の手記〉
ひとつかまど【一つ竈】
1 同じ一つのかまど。 2 「一つ釜 (かま) 2」に同じ。「勘次は怖ろしい卯平と—であるよりも」〈長塚・土〉
ひとつきるもの【一つ着る物】
1 1着しかない着物。一張羅。「今日を晴れと着飾りし—の上交 (うはがへ) 」〈浮・禁短気・六〉 2 下着をつけず、上着だけ1枚着ること。「風儀は、—つまだかに、白帯こころまま引きしめ」〈浮・一代男・一〉
ひとつくち【一つ口】
1 1箇所だけの口。 2 同じであるように言うこと。「我等と—になぞいふは」〈落窪・一〉 3 口をそろえて言うこと。異口同音。「おのおの—に申しけるは」〈仮・伊曽保・上〉 4 ひっくるめて言うこと。同列に論じること。「—にて、女道、衆道を申す事の」〈浮・男色大鑑・一〉
ひとつご【一つ子】
1 《「ひとつこ」とも》ひとりっ子。ひとりご。「—にさへありければ、いとかなしうし給ひけり」〈伊勢・八四〉 2 1歳の子。「平家の子孫は去 (さんぬる) 文治元年の冬のころ、—二つ子を残さず」〈平家・一二〉
ひとつこと【一つ事】
一つの事柄。また、同じ事。「—にとらわれる」「—を繰り返す」
ひとつところ【一つ所】
一つの所。同じ場所。ひとところ。「—にとどまらない生活」