・・・オストロフスキーにあって私たちを打ったものは、その不撓不屈な意志で自分の生命を可能なあらゆる方法によって階級の発展のために役立てようとした現実の姿である。 彼は一九〇四年労働者の家に生れ、少年時代から人に雇われて働いた。受けた教育は最低・・・ 宮本百合子 「ヒューマニズムへの道」
・・・ 国内戦、饑饉、チブスの中から、不屈な革命的大衆の力でソヴェト同盟の新文化がモリモリせりあがって来たのだ。この時代、ソヴェト同盟の勤労大衆に、異常な関心をもたれる一人の若い婦人評論家が現れた。 それは、さきにふれたラリーサ・レイスネ・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・それから後の八年という歳月は、フロレンスの上流令嬢としての生活の底におそるべき不屈な努力と実力の蓄積とをはらんで進行した。この表面の挫折に遭うまでのフロレンスは、何といっても自分の境遇の条件にしばられている一方であったが、この八年に、彼女は・・・ 宮本百合子 「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」
・・・ ゴーリキイが、人間生活を観る持ち前の鋭い目で、学生達とデレンコフとの関係を省察している叙述は様々の時代的な示唆や、ゴーリキイの誇高い、不屈な気質の一面を示して興味がある。ナロードニキに対するデレンコフの態度はゴーリキイのそれと同じであ・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
・・・「非凡、善、不屈、美と名づけられるべきすべての小さな、珍らしい細片」をじかに人々のうちからあつめたい欲望に刺戟されて、再び放浪の旅に出た。 日雇い仕事でパンを稼ぎながら秋までほとんどロシアの南半分を歩きまわり、最後にチフリススターリンの・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
・・・ 社会変革の人間的な動機はよりよい人間生活建設への不屈な愛である。パンをあたえよという叫び、失業をなくせよという叫び、これは人生をあたえよという叫びである。社会主義的生産にすすんでゆこうとする労働者階級の歴史的行動はそのような社会でこそ・・・ 宮本百合子 「三つの愛のしるし」
・・・ 人は一人一人に複雑な性格や肉体の条件をもっているのだから、どのひとの一生も、不屈であるというわけにゆかず、あらゆる青春が歴史の推進の中軸に立つことはできない。あるとき、心ならずものわかりよさに敗けたとして、私たちはやはり明瞭に自分をご・・・ 宮本百合子 「ものわかりよさ」
・・・である不屈不撓な事業熱をもっている船長イーベン・ホーレイの多難な生涯と揚子江上の荒々しい回漕事業の盛衰とをこの小説の縦糸にしているのである。 中国の歴史がうつりかわるにつれて揚子江沿岸の軍閥が擡頭して、白人の事業を破滅に導き、それがやが・・・ 宮本百合子 「「揚子江」」
・・・労働階級は、自身のたゆみないたたかいを、搾取する階級に対して行っていると同時に、おなじ不屈さをもって、労働者階級のうちに巣くいむしばむ搾取階級仕入れのすべての考えかた、好み、偏見とたたかっているのである。この事実が具体的にのみこめたとき、文・・・ 宮本百合子 「両輪」
・・・我々労働者・農民も、この城塞を不屈の闘争で攻め落し、国際的に重き歴史的任務に答えねばならぬ。 我々、日本の労働者・農民は、アジアにおける最も野蛮な支配体制、自国ブルジョア・地主的天皇制〔一九三二年十二月〕・・・ 宮本百合子 「労働者農民の国家とブルジョア地主の国家」
出典:青空文庫