・・・且文芸上の作品の価値は区々の秤尺に由て討議し、又選票の多寡に由て決すべきもので無いから、文芸審査の結果が意料外なるべきは初めから予察せられる。之を重視するのが誤まっておるのだが、二十五六年前には全然社会から無視せられていた文芸の存在を政府が・・・ 内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
・・・それで年の豊凶を予察するには結局その年の七、八月における気温や日照の積分額を年の初めに予知することが出来れば少なくも大体の見当はつくということになる。 気温や日照を人為的に支配することは現在の科学の力では望むことが出来ない。しかし年の初・・・ 寺田寅彦 「新春偶語」
・・・僕は郡で調べたのをちゃんと写して予察図にして持っていたからほかの班のようにまごつかなかった。けれどもなかなかわからない。郡のも十万分一だしほんの大体しか調ばっ(ていない。猿ヶ石川の南の平地に十時半ころまでにできた。それからは洪積層が旧天王の・・・ 宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
出典:青空文庫