今が今
ちょうど今。たった今。また、今すぐ。「—帰ったばかりだ」「—どうなるということもあるまい」
今か今か
事が実現するのを待ち望むさま。「吉報を—と待ちわびる」
今という今
たった今。今こそ。「—彼という人間がわかった」
今泣いた烏がもう笑う
今まで泣いていた者が、すぐ機嫌を直して笑う。子供などの感情がとかく変わりやすいことにいう。
今にして
今になって。ことが起こった今。「—思えばあれが事件のきっかけだった」
今に始めぬ
前からあったことで、今急に始まったことではない。少しも変わったことではない。「弓矢取る身のならひ、—◦ぬ事なれども」〈曽我・九〉
今の今まで
(多くあとに打消しの語を伴って用いる)たった今まで。「—知らなかった」
今のまさか
《「まさか」は現実・現在の意》さしあたった現在。今この時。ただ今。「さ百合花 (ゆりばな) 後 (ゆり) も逢はむと思へこそ—もうるはしみすれ」〈万・四〇八八〉
今は限り
1 物事の最後。もうこれまで。「散らねどもかねてぞ惜しきもみぢ葉は—の色と見つれば」〈古今・秋下〉 2 人の死に際。臨終。「—になり給ひにし御病の末つ方」〈源・橋姫〉
今は斯く
今となってはもはやこれまで。もう終わりだ。今はこう。「頭をまた打ち破 (わ) りてけり。—と思ふほどに」〈宇治拾遺・一一〉